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2015年 05月 28日

得がたい

ケヤキの一枚板です。巾をつめる前は85センチくらいありました。
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両方の木口には、20センチくらいの割れが有りましたが、埋めてからチキリで補強しました。
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全体の大きさは、長さ1530 巾925 高さ305。奥に見える小ぶりの物と合わせて使います。
最初は小さな方の修理をお願いされたのですが、それに合わせて座卓もほしいとのこと。
いっそ両方とも茶保台にしたらと提案しましたが、それからが大変でした。
今の時代、茶保台を必要とするような場所が無く、作っている人も皆無。
増して中に入れる板は、物の良い大木を製材して、丁寧に管理しておかなければなりません。
通常、中板の厚みは12ミリ~15ミリの状態で乾燥させ、それを押さえつけ平に削ります。
まづは、在庫の有りそうな材木屋に電話をしてみましたが、ありません。
知り合いの家具屋仲間のつてをたどっても、なかなか見つかりませんでした。
たまたま声をかけておいた材木屋さんから、知り合いが持っているかもと言う連絡が入り。
見に行ってみると、有りました、が、これ使えるかな?
厚みは6ミリ、おまけにぐにゃぐにゃと言うか、凸凹。大変な状態でした。
使うか悩みましたが、たぶんこれを逃したら手に入らない、すばらしい木目の一枚板です。

幾日も悩み、どうやったら料理できるか、あの手この手を考え、腹を決め譲ってもらいました。
板両面を水でビショビショにして2時間くらい放置して、水を十分しみこませます。
板のへこんだ部分に水をたっぷり含んだタオルを置き、その上からアイロンで熱をかけます。
力を入れ過ぎると、木口からの割れが広がります、静かにしずかに。
木が十分柔らかくなったら、平らな場所に伏せ、全体に重りを乗せ乾くまで一日置きます。
これを何日も繰り返し、だいたい平らになったら、何本ものサンで押えてから十分乾燥させます。

厚さが6ミリ、通常の半分以下しかありませんから、ほとんど削らないようにして仕上げました。
とにかく薄い、乱暴に扱うと簡単に割れるでしょう、枠に入れるまではハラハラどきどきでした。
出来あがったものを見ても、何処が大変なのか、どの様な板だったのか想像できません。
作った本人もすでに忘れていて、実感がありません。こんなものなのか?

by Utiopepe | 2015-05-28 05:59 | 仕事 | Comments(1)
Commented by きんぴら農園長 at 2015-06-12 07:00 x
良い仕事をしていますね。
いつもながら感心しきりです。
地道にこつこつ、その精神がここにも見えますね。

梅さんは本当に職人気質の人だと又思い知らされました。


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