2008年 10月 25日
材料をほぼ直角に近い角度で接合する、角の所を「トメ」と言います。たとえば額縁の角、縁がぐるりと回っている座卓、窓の縁などです。45度と45度で付けた時は普通に「とめ」と言いますが、例えば30度と60度で直角に付けた時は「ばかどめ」と言いますが、「ばか」の方が難しいのです。ばかにはできない「ばかどめ」です。 上は額縁などで良くみるやりかたです、最初に四角に接着してから、鋸で切れ目を入れ、そこに「やとい」をはめ込みます。 「やとい」は「はっぱ」とも言います。一番かんたんです、がすべて接着材まかせともいえます。 上は今回作っている鏡の縁の納まりです、抜きホゾに割りくさびで固めます、 これならば接着材がだめになっても壊れません、隙間ができてもバラバラにはなりにくい構造です。 ちょっと見ただけでは理解できにくい構造ですが、鏡の入る溝と、裏板のための溝が刻んであり、 順番に加工していけば、結果としてこの様な形になってしまったと言うところです。 組んでしまえばほとんど見えなくなってしまいます。 これは「三方留め」と言い、座卓の脚などで使われる方法です、左は完成図、真ん中は裏返したところ、右は脚を抜いた様子です。 左は額縁の様な構造から「セン」を抜き取り、すこし広げた状態です。 真ん中は「セン」を完全に抜き取りバラバラにしたところです。 右はすべてをバラバラにしてあります。 この「仕口」は正式には「違い胴つき鯱せん継ぎ」と言うそうですが、松本地方では昔から座卓の脚まわりに使われてきました。 非常に完成度の高い強固な継ぎ方で、昔の人達の仕事に対する熱意が伝わってくる思いですが、すべては組んでしまえば見えなくなってしまう、この様な手間のかかる仕事は忘れられて行く運命にあるようです。
by Utiopepe
| 2008-10-25 22:10
| 仕事
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